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御蔵島の動植物

東アジア固有の海鳥 オオミズナギドリ

オオミズナギドリは、御蔵島で繁殖する渡り鳥です。昼は海に餌を捕りに出かけ、夜に森へ帰ります。スダジイの木によちよちと登る姿がユニークです。オオミズナギドリの世界最大の繁殖地である御蔵島は、小笠原諸島とともに東京都のエコツーリズムの島に認定されています。近年、御蔵島では人が持込んだネコの子孫が野外で繁殖して野猫が増えたことで、オオミズナギドリだけでなく、御蔵島で進化した固有種の動物に対して脅威となっています。

オオミズナギドリ

斑紋に特徴のある ミクラクロヒカゲ

御蔵島に生息する固有の蝶といわれるのがミクラクロヒカゲです。クロヒカゲの亜種といわれ、本土のクロヒカゲよりも色が深いのが特徴です。本土のクロヒカゲでは、上の羽の先端部分にはっきりと2~3個並ぶはずの小さな斑紋が、ミクラクロヒカゲの個体に並ぶ斑紋は1つだけ明確に見え、その下に痕跡のような白っぽい点が1つあるのみです。大斑紋以外の斑紋は、ほとんど目立ちません。

ミクラクロヒカゲ

飛ばないクワガタ ミクラミヤマクワガタ

ミクラミヤマクワガタは、御蔵島と神津島にしか生息していないクワガタです。体が小さく、ほとんどが35mm以下の大きさしかありません。クワガタの仲間ですが、飛ぶことができず、移動は地面を這うだけです。そのため、御蔵島では島のあらゆる道路で、ごそごそとクワガタが歩いていますが、踏まれてしまうことも多いようです。御蔵島ではミクラミヤマクワガタはそんな当たり前の生き物ですので、ずっと身近な存在でいられるように大事にしましょう。

ミクラミヤマクワガタ

御蔵島の近海に棲むミナミハンドウイルカ

御蔵島では、野生のミナミハンドウイルカと一緒に泳ぐことができます。御蔵島の近海に棲みついているミナミハンドウイルカは100頭以上おり、4~10月までイルカウォッチングが楽しめます。船上からはもちろん、陸上から見たり、浮き輪などで海に浮きながら見たり、イルカの状態が良ければ至近距離で観察することもできます。ただし、イルカウォッチングには、イルカと人間がいつまでも良い関係を保っていくためのルールが定められています。ルールとマナーを守ってお楽しみください。

ミナミハンドウイルカ

御蔵島の代表的な木 スダジイ

御蔵島の原生林は、全国有数の巨樹・巨木の群生地で、樹齢を重ねた巨木があちこちに見られます。御蔵島で最も大きい巨木が、幹の周りが約14mもあるスダジイ、南郷のオオジイです。スダジイはブナ科の常緑樹で、縄文時代で一般的に食されるドングリがなる木として、またその名前の通り、椎茸のホダ木になることでも知られています。真ん中の親の幹を子供の幹が支えるように育つため、圧倒的な存在感があり、御蔵島の森の守り神として親しまれています。

スダジイ

さわやかな香りの蘭 ニオイエビネ

ニオイエビネは、初夏に他の蘭よりも早く咲きます。御蔵島の人が森を歩いていると、香りでニオイエビネ存在に気づくといわれています。かつて、御蔵島では野生のニオイエビネが多く咲いていました。ところが、ニオイエビネブームが到来し、心ない人による山採りや乱獲によって、野生のニオイエビネはほぼ絶滅してしまいました。「えびね公園」では、奇跡的にわずかに残っているニオイエビネの株を集めて保護し、かつての自生地を柵で囲い、自然の森の中でニオイエビネが咲く様子を再現しています。

ニオイエビネ

高山植物の仲間 ショウジョウバカマ

ショウジョウバカマは、4~5月に咲く高山植物です。御蔵島では、標高500m付近から急激に気温が下がるため、身近に高山植物を見ることができます。葉は広い線形でなめらか、根本から多数出て放射状に平らに広がっています。その中から、高さ10~20cmの花茎が出て、先端を横向きにして花が咲きます。花が赤いのを、中国の伝説上の動物「猩々(しょうじょう)」になぞらえ、根生葉の重なりが袴に似ていることから名付けられたとされています。

ショウジョウバカマ

お問い合わせ

このページの担当は自然環境部 緑環境課 自然公園計画担当です。

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