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更新日:2018年2月9日
平成18年8月2日
環境局
建設局
平成17年度都内ダイオキシン類排出量推計結果及び環境中のダイオキシン類調査結果について
東京都では、毎年度、環境中にダイオキシン類を排出する各発生源からの排出量を推計するとともに、ダイオキシン類対策特別措置法に基づき、都内の大気、公共用水域(水質及び底質)、地下水及び土壌におけるダイオキシン類による汚染状況を把握するため、環境調査を実施しています。
このたび、平成17年度の調査結果を取りまとめましたのでお知らせします。
調査結果のポイント
1. 環境中へのダイオキシン類排出量は、平成10年度に比べ、30分の1に減少。
- 平成17年度の環境中へのダイオキシン類の総排出量の推計値は、1.88g-TEQ*/年で、ダイオキシン類対策特別措置法施行前の平成10年度の推計総排出量62.31g-TEQ/年に比べ、30分の1以下に減少しました(図1、表1)。
(注)ダイオキシン類排出量の推計値については、平成22年度版で計算方法等について改正しましたので、正しい推計値は平成22年度版の推計値を参照してください。
2. 大気環境の濃度は、さらに減少し、環境基準の10分の1の値に。
- 大気へのダイオキシン類排出量の大幅な減少に伴い、ダイオキシン類の大気環境濃度も大幅に減少し、平成17年度の平均値は0.06pg-TEQ/m3 で、環境基準値0.6 pg-TEQ/m3の10分の1の値になりました(表2)。
3. 公共用水域の水質、地下水及び土壌は、すべての測定地点で環境基準を達成。
公共用水域の底質は、河川の1地点で環境基準を超過。
- 公共用水域の水質(測定地点:45地点)、地下水(10地点)、土壌(21地点)については、すべての測定地点で環境基準を達成しました(表2)。
- 公共用水域の底質(測定地点:45地点)については、河川の1地点で環境基準を超過しました(表2)。環境基準超過地点周辺の対策については、引き続き検討していきます。
* 単位に表示しているTEQとは、ダイオキシン類の量を、最も毒性の強い2,3,7,8-四塩化ジベンゾ-パラ-ダイオキシンの量に換算した値のことです。
※ 詳細データは、以下のURLの環境局ホームページに掲載しています。
問い合わせ先
大気への排出量について: 環境局 環境改善部 大気保全課
直通 電話:03-5388-3492
都庁内線:42-355
環境調査について: 環境局 環境改善部 有害化学物質対策課
(大気・地下水・土壌) 直通 電話:03-5388-3580
都庁内線:42-381
環境調査について: 環境局 自然環境部 水環境課
(河川・海域・湖沼) 直通 電話:03-5388-3569
都庁内線:42-651
底質の対策について: 建設局 河川部 計画課
直通 電話:03-5320-5425
都庁内線:41-464
1. ダイオキシン類の排出量と大気環境濃度の推移
(注1)平成10年度の推計排出量は、大気基準適用施設のみの合計
(注2)大気環境基準は、平成12年1月15日から適用
(注3)環境濃度平均値は、調査を実施している20地点の平均濃度
表1 ダイオキシン類排出量の推計値の推移 (単位:g-TEQ/年) | |||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
10年度 | 12年度 | 13年度 | 14年度 | 15年度 | 16年度 | 17年度 | |||||||||
排出量 | 構成比 (%) | ||||||||||||||
大気への排出量 | 62.31 | 28.05 | 16.82 | 6.59 | 2.94 | 3.54 | 2.41 | 97.6 | |||||||
廃棄物焼却炉 | 62.03 | 27.17 | 16.17 | 5.91 | 2.25 | 2.81 | 1.80 | 72.9 | |||||||
一般廃棄物焼却炉 | 39.57 | 15.83 | 8.89 | 2.19 | 0.73 | 1.07 | 1.04 | 42.1 | |||||||
産業廃棄物焼却炉 | 9.85 | 2.11 | 2.26 | 0.88 | 0.64 | 0.84 | 0.45 | 18.2 | |||||||
小型廃棄物焼却炉等(注1) | 12.61 | 9.23 | 5.02 | 2.84 | 0.88 | 0.90 | 0.31 | 12.6 | |||||||
製鋼用電気炉 | 0.28 | 0.34 | 0.10 | 0.12 | 0.13 | 0.15 | 0.02 | 0.8 | |||||||
火葬場 | ─ | 0.41 | 0.42 | 0.43 | 0.43 | 0.45 | 0.46 | 18.6 | |||||||
自動車排気ガス | ─ | 0.13 | 0.13 | 0.13 | 0.13 | 0.13 | 0.13 | 5.3 | |||||||
水域への排出量(注2) | ─ | 0.13 | 0.07 | 0.07 | 0.05 | 0.06 | 0.06 | 2.4 | |||||||
廃棄物焼却炉関連施設 | ─ | 0.00 | 0.00 | 0.00 | 0.00 | 0.00 | 0.00 | 0.0 | |||||||
下水終末処理施設 | ─ | 0.13 | 0.07 | 0.07 | 0.05 | 0.06 | 0.06 | 2.4 | |||||||
合計 | 62.31 | 28.18 | 16.89 | 6.66 | 2.99 | 3.60 | 2.47 | 100.0 |
(注1)自家用を含む施設規模が200kg/h未満の焼却炉及びし尿処理施設汚泥焼却炉等
(注2)事業場全体からの排出量
2. 環境基準の達成状況
表2 平成17年度の調査結果の概要
調査対象 | 調査 | 環境基準 | 環境濃度 | 環境基準 | 単位 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
平均値 | 最大値 | |||||||
大気 | 20 | 20 | 0.060 | 0.090 | 0.6以下 | pg-TEQ/m 3 | ||
公共用水域 | 水 | 河川 | 37 | 37 | 0.23 | 0.93 | 1以下 | pg-TEQ/L |
海域 | 8 | 8 | 0.14 | 0.52 | 1以下 | pg-TEQ/L | ||
底 | 河川 | 37 | 36(注3) | 23 | 280 | 150以下 | pg-TEQ/g | |
海域 | 8 | 8 | 22 | 51 | 150以下 | pg-TEQ/g | ||
地下水 | 10 | 10 | 0.057 | 0.058 | 1以下 | pg-TEQ/L | ||
土壌 | 21 | 21 | 5.0 | 28 | 1,000以下 | pg-TEQ/g |
(注1) pg(ピコグラム)は、1兆分の1gのことで、1 pg/Lは、およそ東京ドーム1杯の水に1辺が1mmのザラメ砂糖を溶かしたときの濃度に相当します。
(注2) TEQは、ダイオキシン類の量を、最も毒性の強い2,3,7,8-四塩化ジベンゾ-パラ-ダイオキシンの量に換算した値を意味します。
(注3) 環境基準超過地点は、横十間川(天神橋:江東区・墨田区)の1地点です。
※ 詳細については、次の参考資料をご覧ください。
[参考資料]
I 調査概要
1 調査地点の選び方と調査時期
調査対象 | 地点数 | 調査地点の選び方 | 調査回数及び時期 | 調査開始年度 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
大気 | 20 | 都内を16ブロックに分け、ブロック毎に1〜2地点 | 年6回 | 平成9年度 | ||
公共用水域 | 水 | 河川 | 37 | 環境基準点(注2) | 年2回 (河川8地点は、 | 平成8年度 |
海域 | 8 | 平成元年度 | ||||
湖沼 | 0 | 平成12年度 | ||||
底 | 河川 | 37 | 環境基準点(注2) | 年1回 夏期 | 平成8年度 | |
海域 | 8 | 平成元年度 | ||||
湖沼 | 0 | 平成12年度 | ||||
地下水 | 10 | 都内全域から、毎年新しい地点を選定 | 年1回 10月 | 平成10年度 | ||
土壌 | 21 | 都内全域から、毎年新しい地点を選定 | 年1回 | 平成10年度 |
(注1) 大気は、1週間(168時間)連続採取しています。
(注2) 環境基準点のうち、水質・底質のダイオキシン類濃度の低い多摩地域の河川・湖沼28地点については、14地点ずつ隔年に実施しています。
このほかに国土交通省が8地点で調査を実施しています。
2 調査地点
調査地点 図-1(ワード:1,263KB)環境大気 調査地点 図-2(ワード:1,263KB)公共用水域
調査地点 図-3(ワード:1,263KB)地下水 調査地点 図-4(ワード:1,263KB)土壌
3 調査対象物質
ダイオキシン類(ポリ塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシン、ポリ塩化ジベンゾフラン及びコプラナーPCB)を対象としました。
4 調査方法
調査方法については、調査対象毎に環境省のマニュアル等に準拠しました(採取方法は表9参照)。
II 調査結果(実測値等詳細データはエクセル形式で掲載しています。:末尾に表名。)
1 大気 ( 表1(エクセル:105KB)、調査地点 図-1(ワード:1,263KB)参照)
(1) 環境基準の適合状況
環境基準(年平均値0.6pg-TEQ/m 3 以下)と比較すると、全地点で環境基準に適合しました。
(2) 濃度範囲
ダイオキシン類濃度は、隔月0.010〜0.18pg-TEQ/m 3 の範囲にあり、地点ごとの年平均値の範囲は0.018〜0.090 pg-TEQ/m 3 、平均値は0.060pg-TEQ/m 3 と環境基準の10分に1なりました。16年度の結果(各月の濃度範囲は0.015〜0.28pg-TEQ/m 3 、年平均値の範囲は0.025〜0.12pg-TEQ/m 3 、平均値は0.077pg-TEQ/m 3 )と比べると、多くの地点でほぼ同程度の濃度でした。
(3) 過去の調査との比較(本文図-1,図-2 参照)
調査を開始した9年度から発生源規制の効果により経年的に濃度レベルが下がってきました。
2 公共用水域( 表2(エクセル:57KB)、調査地点 図-2(ワード:1,263KB) 参照)
(1) 水質
ア 環境基準の適合状況
環境基準(年平均値1pg-TEQ/L以下)と比較すると、全地点で環境基準に適合しました。
イ 濃度範囲
河川、海域のそれぞれのダイオキシン類濃度は平均値ではそれぞれ、0.23pg-TEQ/L、0.14pg-TEQ/L,最大値では0.93-TEQ/L、0.52pg-TEQ/Lであり、河川の濃度が高くなっています。
都の調査結果は、10年度から16年度の全国調査結果(0.0069〜48pg-TEQ/L)の範囲内でした。
(2) 底質
ア 環境基準の適合状況
環境基準(150pg-TEQ/g以下)と比較すると、横十間川(天神橋280pg-TEQ/g)で前年(570pg-TEQ/g)に引き続き環境基準を上回りました。
イ 濃度範囲
河川、海域のそれぞれのダイオキシン類濃度は平均値では、23pg-TEQ/g、22pg-TEQ/g,
最大値では280pg-TEQ/g、51pg-TEQ/gでした。
都の調査結果は、10年度から16年度の全国調査結果(0.050〜1400pg-TEQ/g)の範囲内でした。
(3) 追跡調査
環境基準値を超えた地点は、測定頻度が年4回であったため追跡調査を行いませんでした。なお継続して環境基準を超えた地点はありませんでした
また、底質の環境基準値を超えている横十間川(天神橋)については対策に取り組んでいることから、追跡調査は行いませんでした。
3 地下水( 表3(エクセル:19KB)、調査地点 図-3(ワード:1,263KB)参照)
(1) 環境基準の適合状況
環境基準(1pg-TEQ/L以下)と比較すると、全地点で環境基準に適合しました。地下水については、濃度変化がほとんどないことから年1回の調査結果で環境基準の適否を判断しています。
(2) 濃度範囲
ダイオキシン類濃度は0.056〜0.058pg-TEQ/Lの範囲にあり、10調査地点の平均値は0.057pg-TEQ/Lでした。
なお、TEQの算出方法は、法律で定まっており、ダイオキシン類が検出さない場合でも、検出下限値の半分の濃度があるとみなしてTEQを算出します。
4 土壌( 表4、図-3(エクセル:22KB)、調査地点 図-4(ワード:1,263KB)参照)
(1) 環境基準の適合状況
環境基準(1,000pg-TEQ/g以下)及び調査指標値(250pg-TEQ/g:この値以上の場合には、詳細調査を行う。)と比較すると、全地点で環境基準に適合し、調査指標値を下回りました。
(2) 濃度範囲
ダイオキシン類濃度は0.0012〜28pg-TEQ/gの範囲にあり、21調査地点の平均値は5.0 pg-TEQ/gでした。
III 精度管理の実施
ダイオキシン類の測定結果の信頼性を確保するため、東京都環境科学研究所分析研究部と連携して各委託調査機関に対し立入検査及びクロスチェック等を行い問題のないことを確認しています。
IV 参考資料(異性体別実測濃度等) エクセルファイルで掲載しています。
表5大気調査結果(エクセル:516KB)図-4大気調査時の風向(エクセル:310KB)図-5大気調査時の風速(エクセル:407KB)
表6公共用水域調査結果(エクセル:141KB)
表7地下水調査結果(エクセル:28KB)
表8土壌調査結果(エクセル:88KB)
表9調査方法等(エクセル:30KB)
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