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更新日:2018年2月9日
東京都環境局環境改善部
東京都内地下水中のダイオキシン類調査結果
(平成11年度)
都は、平成10年度からダイオキシン類による地下水の汚染状況を把握することを目的として調査を実施しています。このたび、平成11年度の結果がまとまりましたのでお知らせします。
平成11年度に都内24地点において地下水中のダイオキシン類について調査を行ったところ、最大である地点で0.31pg-TEQ/リットルであり、地下水の環境基準(年間平均値1pg-TEQ/リットル)の値を超えた地点はありませんでした。
なお、平成12年度以降は調査地点数を増やし、監視の充実を図ります。
1 調査方法
(1) 調査時期 平成11年12月(1回/年)
(2) 調査地点 都内24地点(図1)
(3) 調査対象物質 ダイオキシン類(ポリ塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシン14種類、ポリ塩化ジベンゾフラン15種類及びコプラナーPCB12種類)
(4) 分析方法 「ダイオキシン類に係る水質調査マニュアル」(環境庁)及びJISK0312(1999年)に準拠した。
(5) 分析機関 帝人エコ・サイエンス株式会社
2 調査結果の概要
(1) 地下水中のダイオキシン類
ア 検出されたダイオキシン類は、0.066~0.31pg-TEQ/リットルの範囲にあり中央値は0.10pg-TEQ/リットルあった。なお、ダイオキシン類対策特別措置法に基づく環境基準が告示され、11年度の毒性等量の算出は告示に定められた方法によったため、10年度の換算方法と異なる。(11年度のTEQ換算方法は、検出下限値未満(N.D.)については、検出下限の"1/2"の値を用いて算出し、毒性等価係数はWHO-TEF(1998年))を用いた。10年度においては、定量下限値未満は"0"とし、毒性等価係数はI-TEF(1998年)、CoPCBはWHO-TEF(1998年)を用いた。)
このように、11年度と10年度の調査結果は換算方法も、調査地点も異なるので単純に比較はできない。参考として11年度のデータを10年度と同一の換算方法で処理すると、ダイオキシン類濃度は、0.000040~0.15pg-TEQ/リットルの範囲で中央値は0.0069pg-TEQ/リットルとなる。
一方、これに対応する10年度の結果は、0.00056~1.3pg-TEQ/リットルの範囲であり中央値は0.039pg-TEQ/リットルであった。(表1、3、図2)
イ ダイオキシン類のうちコプラナーPCBの割合は、0.07~9.9%(中央値4.1%)の範囲であった。(表1、図2)
(2) 追跡調査
ア 新しい井戸におけるダイオキシン類の変動をみるため、平成10年度に新設した調査用井戸3地点において、平成11年度も引き続き調査を実施した。
イ 検出されたダイオキシン類は、11年度が0.000040~0.031pg-TEQ/リットル(10年度と同じ換算方法算出した。)の範囲であり、10年度は0.10~0.57pg-TEQ/リットルであった。(表2)
3 今後の対応
平成11年7月「ダイオキシン類対策特別措置法」が制定されたのに伴い、12年度は地下水の概況調査(都内を2kmメッシュ337ブロックに分割したなかに調査地点を設定し、環境基準に定められた項目について測定する調査)にあわせて都内84地点で調査を予定するなど、監視の充実を図る。
図-1 地下水中のダイオキシン類調査地点( 画像(PDF:402KB))
図-2 平成11年度 地下水中のダイオキシン類調査結果( 画像(PDF:303KB))
表1 地下水中のダイオキシン類調査結果
Excel 4.0(エクセル:11KB)
表2-1 平成11年度 東京都地下水ダイオキシン類調査結果
Excel 4.0(エクセル:51KB)
表2-2 平成11年度 東京都地下水ダイオキシン類調査結果
Excel 4.0(エクセル:50KB)
参考資料
用語等の説明
1 ダイオキシン類
ダイオキシン類とは、従来はポリ塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシン(PCDD)及びポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)の総称であったが、「ダイオキシン類対策特別措置法」の施行により、その類似物質であるコプラナーポリ塩化ビフェニル(コプラナーPCB)を加えた3物質の総称となった。
ダイオキシン類には、PCDDの異性体が75種類、PCDFの異性体が135種類、コプラナーPCBには12種類の異性体がある。このうち、毒性があるとみなされているのは29種類である。
2 TEQ(Toxic Equivalents:毒性等量)
ダイオキシン類の毒性は、異性体ごとに異なるため、各異性体ごとに設定された毒性等価係数(TEF)を用いて2,3,7,8-TCDDの毒性を1としたときの相対的な量に換算(TEQ)して表している。
注:毒性等量の算出方法
「ダイオキシン類対策特別措置法」(平成12年1月15日施行)第7条の規定に基づき、人の健康を保護する上で維持されることが望ましい基準(環境基準)が定められた。地下水の環境基準は1pg-TEQ/リットル以下で、年間平均値で評価する。また、使用する毒性等価係数(TEF)及び定量下限未満の数値の取扱いについても明示された。(環境庁局長通知、平成12年1月12日)毒性等量に換算する毒性等価係数はWHO-TEF(1998年)を用い、毒性等量の算出の際の定量下限未満の数値の取扱いについては、定量下限未満検出下限以上の数値はそのままその数値を用い、検出下限未満の数値は検出下限の数値の2分の1の数値を用いて各異性体の毒性等量を算出する。平成11年度調査結果は、この方法で毒性等量を算出した。(下表参照)
PCDD及びPCDFのTEF | コプラナーPCBのTEF | 下限値未満の取扱い | |
---|---|---|---|
法施行以後 | WHO-TEF (1998年) | WHO-TEF (1998年) | 検出下限値未満はNDと表記し、検出下限値の2分の1としてTEQを算出 |
法施行以前 | I-TEF (1988年) | WHO-TEF (1998年) | 定量下限値未満はNDと表記し、0としてTEQを算出 |
(注)I-TEF(International Toxic Equivalency Factor)
3 単位
1pg(1ピコグラム)=10-12g=1兆分の1g
1pg/g=10-12g/g=1ppt
1pg/リットル=10-12g/リットル=1ppq
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