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更新日:2018年2月9日
平成15年7月10日
環境局
問い合わせ先
大気・地下水・土壌: 環境改善部有害化学物質対策課
電話:03-5388-3580
公共用水域 : 自然環境部水環境課
電話:03-5388-3569
14年度都内環境中のダイオキシン類調査結果について
東京都は、ダイオキシン類対策特別措置法に基づき、都内の大気、公共用水域(水質及び底質)、地下水及び土壌についてダイオキシン類の汚染状況を調査しています。
このたび、平成14年度の調査結果を取りまとめましたのでお知らせします。
(注)ダイオキシン類排出量推計値については、平成22年度版で計算方法等について改正しましたので、正しい推計値については22年度版のの推計値を参照してください。
1 調査結果
14年度の調査結果の概要は次のとおりです。
(注1) pg(ピコグラム)は1兆分の1g。1pg/Lは、およそ東京ドーム1杯の水に1辺が1mmのザラメを溶かしたときの砂糖の濃度。
(注2) TEQは検出されたダイオキシン類の量を一番毒性の強いダイオキシンの量に換算した値。
(注3) 濃度範囲は、最小値〜中央値〜最大値の順に記載。
(注4) 低質の環境基準は、平成14年9月施行。
2 調査結果の評価
(1) 大気、地下水、土壌については、すべての地点で環境基準を下回りました。
ア 大気については、すべての地点で環境基準の3分の1以下の濃度になりました。
イ 地下水及び土壌については、すべての地点で環境基準の10分の1以下の濃度になりました。
(2) 公共用水域については、水質が新中川(小岩大橋:江戸川区)で、底質が横十間川(天神橋:江東区・墨田区)で環境基準を上回りました。
ア 水質は新中川(小岩大橋)で1.5pg-TEQ/L となり、水質の環境基準を上回りましたが、その後の周辺6地点の追跡 調査の結果は最大0.47pg-TEQ/Lですべて環境基準以下でした。
13年度調査で環境基準を上回った横十間川(天神橋)、隅田川(小台橋:足立区・荒川区)はいずれも環境基準を下回りました。
イ 底質は横十間川(天神橋)で300pg-TEQ/gとなり環境基準を上回りました。追跡調査でも環境基準を超過しました。
3 今後の対応
底質中のダイオキシン類濃度が150pg-TEQ/gを超えている横十間川については、現在、環境基準を超える底質の範囲を調査・確認中であり、その結果に基づいて河川管理者とともに具体的な浄化方法を検討することにしています。
[参考資料]
I 調査概要
1 調査内容
(注1)環境基準点の内、水質・底質濃度の低い上流域16地点については8地点づつ隔年に実施。このほかに国土交通省が10地点で年1回10月に調査をしています。
(注2)土壌及び地下水は、毎年新しい地点を選び調査を実施しています。
2 調査対象物質
ダイオキシン類(ポリ塩化ジベンゾ−パラ−ジオキシン、ポリ塩化ジベンゾフラン及びコプラナーPCB)を対象としました。
3 調査方法
調査方法については、調査対象毎に環境省のマニュアル等に準拠しました。
II 調査結果(詳細データは環境局ホームページに掲載しています。)
1 大気 (表1(エクセル:30KB)、図1-1(エクセル:278KB)、図2(PDF:300KB)参照)
(1)環境基準の適合状況
環境基準(年平均値0.6pg-TEQ/m3以下)と比較すると、全地点で環境基準を下回りました。年平均値の最高濃度は0.17pg-TEQ/m3と、環境基準の約3分の1でした。
(2)濃度範囲
ダイオキシン類濃度は、各月0.013〜0.39pg-TEQ/m3の範囲にあり、地点ごとの年平均値の範囲は0.032〜.17 pg-TEQ/m3、平均値は0.12pg-TEQ/m3で、13年度(各月の濃度範囲は0.020〜0.59 pg-TEQ/m3、年平均値の範囲は0.054〜0.28pg- TEQ/m3、平均値は0.21pg-TEQ/m3)にくらべると低減しております。
14年度は調査方法を1週間連続採取(168時間)に変更しました。13年度までは24時間採取だったため、気象の影響を強く受け、極端に高濃度や低濃度が検出されることがありました。14年度の調査結果は気象の影響が少なくなりました。
(3) 過去の調査との比較
調査を開始した9年度から発生源規制の効果により経年的に濃度レベルが下がってきました。
2 公共用水域(表2(エクセル:54KB)、図1-2(エクセル:278KB)参照)
(1) 水質
ア 環境基準の適合状況
環境基準(年平均値1pg-TEQ/L以下)と比較すると、新中川(小岩大橋1.5pg-TEQ/L)で前年(1.1pg-TEQ/L)に引き続き環境基準を上回りました。13年度調査で環境基準を上回った隅田川(小台橋1.2pg-TEQ/L)及び横十間川(天神橋1.9pg-TEQ/L)についてはいずれも環境基準を下回っています。
イ 濃度範囲
河川、海域のそれぞれのダイオキシン類濃度は0.041~1.5pg-TEQ/L、0.074~0.30pg-TEQ/Lの範囲にあり、それぞれの平均値は0.25pg-TEQ/L、0.13pg-TEQ/L、湖沼は0.051pg-TEQ/Lで、河川の濃度が一番高くなっています。環境基準を超えた新中川(小岩大橋)、横十間川(天神橋)の2地点は、いずれも夏期の調査時だけが環境基準値を超えました。
14年度の調査結果は10年度から13年度の、全国調査結果(0.0014~48pg-TEQ/L)の範囲内でした。
(2)底質
ア 環境基準の適合状況
環境基準(150pg-TEQ/g以下)と比較すると、横十間川(天神橋300pg-TEQ/g)で前年(360pg-TEQ/g)に引き続き環境基準を上回りました。
イ 濃度範囲
河川、海域のそれぞれのダイオキシン類濃度は、0.17〜300pg-TEQ/g、9.7〜62pg-TEQ/gの範囲にあり、それぞれの平均値は17pg-TEQ/g、35pg-TEQ/g、湖沼は9.8pg-TEQ/gでした。
都の調査結果は10年度から13年度の全国調査結果(0〜1400pg-TEQ/g)の範囲内でした。
底質の環境基準については、平成14年9月に施行されました。
(3) 追跡調査
14年度夏期の調査で水質の環境基準値を超えた新中川(小岩大橋)、横十間川(天神橋)で追跡調査を行いました。
ア 新中川
水質及び底質について小岩大橋を中心に上・下流の合計6地点で調査を行いました。水質及び底質のそれぞれのダイオキシン類濃度は、0.19〜0.47pg-TEQ/L、1.6〜35pg-TEQ/gの範囲にあり、6地点の水質及び底質濃度は、環境基準以下でした。
イ 横十間川
水質及び底質について天神橋と上流部及び下流部の4地点で調査を行いました。
水質及び底質のそれぞれのダイオキシン類濃度は0.15〜0.30pg-TEQ/L、63~360pg-TEQ/gの範囲にあり、水質濃度は5地点全てで、環境基準値以下でした。底質は天神橋で360 pg-TEQ/gと環境基準を超過していました。天神橋については今後、汚染底質対策の検討を予定しています。
3 地下水(表3(エクセル:17KB)、図1-3(エクセル:278KB) 参照)
(1) 環境基準の適合状況
環境基準(年平均値1pg-TEQ/L以下)と比較すると全地点で環境基準を下回りました。地下水については、濃度変化がほとんどないことから年1回の調査結果で環境基準の適否を判断しています。
(2) 濃度範囲
ダイオキシン類濃度は0.065〜0.066pg-TEQ/Lの範囲にあり、平均値は0.065pg-TEQ/Lでした。13年度の全国調査結果(濃度範囲0.0002〜0.92pg-TEQ/L、平均0.074pg-TEQ/L)と比べほぼ同程度の濃度でした。なお、TEQの算出方法は、法律で定まっており、ダイオキシン類が検出されない場合でも、検出下限値の半分の濃度があるとみなしてTEQ濃度を算出します。(今回の都地下水調査では0.065pg-TEQ/Lとなります。)。
4 土壌(表4(エクセル:32KB)、図1-4(エクセル:278KB)、図3参照)
(1) 環境基準の適合状況
環境基準(1000pg-TEQ/g以下)及び調査指標値(250pg-TEQ/g:この値を超えた場合は、追跡調査を行う。)と比較すると、全地点でこれらの値を下回りました。
(2) 濃度範囲
ダイオキシン類濃度は、0.0018〜90pg-TEQ/gの範囲にあり、調査地点の平均値は13pg-TEQ/gでした。
13年度の全国調査結果(一般環境把握結果:濃度範囲0〜240pg-TEQ/g、平均3.2pg-TEQ/g、9割以上の地点が10pg-TEQ/g以下)と比べると、都内の状況はかなり高いレベルとなっていますが、環境基準の10分の1以下です。
III 精度管理の実施
ダイオキシン類の測定結果の信頼性を確保するため、東京都環境科学研究所分析研究部と連携して各委託調査機関に対し立入検査及びクロスチェック等を行いました。
IV 参考資料(異性体別実測濃度等)
エクセルファイルでホームページに掲載しています。
表5 大気調査結果(エクセル:1,035KB) 図4 大気調査時の風向(エクセル:622KB) 図5 大気調査時の風速(エクセル:811KB)
表6−1 公共用水域調査結果(エクセル:115KB) 表6−2 公共用水域追跡調査結果(エクセル:41KB)
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