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更新日:2018年2月9日
平成12年6月13日
環境局
東京都内大気中のダイオキシン類の調査結果
(平成11年度)
このたび、平成11年度の調査結果がまとまりましたので、お知らせします。
1 都内大気中のダイオキシン類は、全調査地点(20地点)で「大気環境基準」(年平均値 0.6pg-TEQ/m3)を達成した。
2 全調査地点のうち16地点で前年度より濃度が低下し、特に平成9年度、10年度最高濃度を記録した清瀬市下宿では大幅に低下した。
1 調査の概要
(1) 調査時期
- 1春季:平成11年5月18日(火曜日)、19日(水曜日)
- 2夏季:平成11年8月3日(火曜日)、4日(水曜日)
- 3秋季:平成11年11月9日(火曜日)、10日(水曜日)
- 4冬季:平成12年2月1日(火曜日)、2日(水曜日)それぞれ24時間連続採取
(2) 調査地点
バックグラウンド1地点(西多摩郡檜原)を含む20地点( 別図参照 (PDF:508KB))
(3) 調査対象物質
ダイオキシン類:ポリ塩化ジベンゾ−パラ−ジオキシン(PCDD) 13種類
ポリ塩化ジベンゾフラン (PCDF) 16種類
コプラナーポリ塩化ビフェニル(コプラナーPCB) 12種類
(4) 採取方法及び分析方法
「有害大気汚染物質測定方法マニュアル(環境庁大気規制課)(平成11年3月)」に準拠した。
(5) 担当及び分析機関
担当:八王子市で実施した市内1地点の夏季、冬季以外は、すべて都で実施
分析機関:東京都分:(株)環境エンジニアリング / 八王子市分:(株)環境管理センター
2 調査結果の概要
平成11年度の調査結果は、 表1のとおりであった。
(1) 環境基準の適合状況
ダイオキシン類の評価は、測定地点ごとに年平均値と「大気環境基準」(年平均値0.6 pg-TEQ/m 3 )とを比較して行うこととなっている。
調査結果をみると、バックグラウンド地点(西多摩郡檜原)の年平均値は0.061pg-TEQ/m3 、それ以外の19地点の年平均値は0.14〜0.51pg-TEQ/m 3 の範囲にあり、全地点で環境基準を達成した。なお、年平均値が一番高いのは葛飾区鎌倉であった( 表1参照)。
(2) 測定値の年間変動
バックグラウンド以外の各地点の年平均値は0.27pg-TEQ/m 3 であり、調査日毎の平均濃度は0.12〜0.57pg-TEQ/m 3 であった。このように、変動幅が大きいのは大気安定度、風速等の気象状況の変化によるものと思われる( 表1参照)。
(3) ダイオキシン類濃度の経年変化
平成11年度の各地点の濃度は、大部分の地点で前年度を下回り、平成9年度、10年度の結果を含めて比較すると、改善傾向は明瞭である。特に、平成9年度(1.5pg-TEQ/m 3 )及び10年度(0.74pg-TEQ/m 3 )に最高濃度を記録した清瀬市下宿の濃度は、0.29pg-TEQ/m 3 へと大幅に低下した。この地点は都県境にあり、隣接県の環境濃度が低下した影響を受けたためと考えられる( 図1(PDF:320KB)参照)。
なお、清瀬市下宿周辺で2地点(東村山市久米川町、清瀬市上清戸)を選び、汚染の範囲等を調べるための高濃度地点周辺調査を行ったが、結果は清瀬市下宿と同程度であった( 表1参照)。
(4) ダイオキシン類の構成割合等
ダイオキシン類に占めるPCDD、PCDF、コプラナーPCBの濃度の比率は、それぞれ20〜44%(平均29%)、51〜76%(平均66%)、3.7〜10%(平均5.1%)であり、焼却排ガスに多く含まれるPCDFの割合が高い( 図2(PDF:223KB))。
3 今後の対応
(1) 平成12年度は、調査の充実を図るため、各地点において測定回数を年4回(測定日数8日)から年12回(測定日数12日)に増加する。また、高濃度地点周辺調査については、新たに平成11年度最高濃度を記録した葛飾区鎌倉周辺の1地点で年4回調査を行う。
(2) 広域的な汚染状況を把握するとともに、区市町村及び隣接県市と調査日程の調整等を行うため、連絡会議を開催するなど連携を強めていく。
平成11年度 | ||||
---|---|---|---|---|
月日 | 天気 | 平均風速(m/s) | 安定度 | |
第1回 | 5月18日 | 曇 | 2.9 | 不安定 |
5月19日 | 雨後一時曇 | 2.3 | 絶対安定 | |
平年 | ━ | 3.4 | ━ | |
第2回 | 8月3日 | 晴 | 3.6 | 不安定 |
8月4日 | 晴一時曇 | 2.9 | 不安定 | |
平年 | ━ | 3.3 | ━ | |
第3回 | 11月9日 | 晴後一時雨 | 4.1 | 絶対安定 |
11月10日 | 快晴 | 3.6 | 不安定 | |
平年 | ━ | 3.2 | ━ | |
第4回 | 2月1日 | 快晴 | 4.5 | 不安定 |
2月2日 | 曇後晴 | 3.7 | 絶対安定 | |
平年 | ━ | 3.6 | ━ | |
注) |
用語の解説
1 ダイオキシン類
ダイオキシン類とは、従来はポリ塩化ジベンゾ−パラ−ジオキシン(PCDDとポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)の総称であったが、ダイオキシン類対策特別措置法の施行により、コ プラナーポリ塩化ビフェニル(コプラナーPCB)を加えた3物質の総称となった。ダイオキシ ン類には、PCDDには75種類,PCDFには135種類、コプラナーPCBには12種類の 異性体がある。
2 Pg
1兆分の1gを表す単位で、ピコグラムという。
3 TEQ
ダイオキシン類は各異性体の毒性が異なるため、2,3,7,8-四塩化ジベンゾ−パラ−ジオキシンの量に換算して合計した毒性等量(TEQ)により表したものを示す。2,3,7,8-四塩化ジベンゾ−パ ラ−ジオキシンの毒性への換算は、測定により得られるダイオキシン類の各異性体の濃度に毒性 等価係数(TEF)を乗じて合計する。この際用いる毒性等価係数は、WHO-TEF(1998)である。なお、この毒性等価係数は従前用いられていたWHO-TEF(1997)と同一のものである。
- 別図 大気中のダイオキシン類の調査地点(PDF:508KB)
- 表−1 都内のダイオキシン類の調査結果
- 図−1 地点毎の年平均濃度の推移(PDF:320KB)
- 図−2 PCDD(ポリ塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシン),PCDF(ポリ塩化ジベンゾフラン),Co-PCB(コプラナーポリ塩化ビフェニル)の割合(PDF:223KB)
- 表−2PCDDs,PCDFs及びCo-PCBの毒性等価係数
(参考資料) - 表1−1 都内のダイオキシン類の調査結果(PCDD)
- 表1−2 都内のダイオキシン類の調査結果(PCDF)
- 表1−3 都内のダイオキシン類の調査結果(Co-PCB)
- 区市町が実施した調査結果 (7月10日更新)
- 大気中のダイオキシン類濃度分布図
- 異性体等分析結果(エクセル:184KB)
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