ゼロエミッション東京戦略 Beyond カーボンハーフ
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 歴史的合意となったパリ協定から10年。時代はこの間、激動してきました。気候危機、エネルギー危機、自然災害、感染症、進化を続けるAIなどの先端技術、それに輪をかけるように国際社会のダイナミックな動きがさらなる変化の波を巻き起こしています。 2024年、世界の平均気温は2年連続で観測史上最高となりました。単年度の値として、初めて「1.5℃」を超過しています。もはや地球温暖化ではなく地球沸騰化の時代への突入であり、対策に一刻の猶予もありません。 世界が目指す「1.5℃目標」の達成には、2050年までにCO2排出量を実質ゼロにする必要があります。2050年、それはたった四半世紀、25年後に訪れる未来です。 都民の生活基盤である衣食住全てを、安全安心、サステナブルで豊かなものに変革し、東京を今よりももっと良くしていく。未来は、現在を生きている私たちの戦略と行動にかかっています。 東京都は、2050年ゼロエミッションを実現するために、2030年カーボンハーフとその先を見据え、2035年までに温室効果ガス排出量を2000年比で60%以上削減する目標を新たに掲げました。 「ゼロエミッション東京戦略 Beyond カーボンハーフ」は、2050年に目指すべきビジョンと明確な道筋を示しています。2035年温室効果ガス排出量削減目標の達成に向けて、31の個別目標を掲げ、実効性ある施策を推進していきます。 今年4月からは、全国初の新築住宅等への太陽光発電設置義務化が始まります。再生可能エネルギーの基幹エネルギー化やエネルギー効率の最大化、水素エネルギーの社会実装、適応策の強化など、あらゆる取組を戦略的に展開し、世界のモデルとなる「脱炭素都市」を実現します。 今、私たちは新しい時代の入口にいます。皆様一人ひとりの気候アクションが、全ての「人」が輝く未来への扉を開く原動力になります。 カーボンハーフのその先へ。全ての「人」がゼロエミッション東京の主人公となり、明るい未来を切り拓いていきましょう。令和7(2025)年3月東京都知事

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