東京都環境基本計画
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0912050年のあるべき姿 自然に対して畏敬の念を抱きながら、地球規模の持続可能性に配慮し、将来にわたって生物多様性の恵みを受け続けることのできる、自然と共生する豊かな社会を目指していく。 そのため、次のとおり、生態系サービスごとのあるべき姿を示す。●供給サービス:都内外の自然資源を持続的に利用する都市 東京産の生産物が地産地消による東京ブランドとして持続的に消費され、東京の自然が持続的に利用されるとともに、都外からの食料や商品・材料の購入に当たっては、持続可能で環境負荷の低い経済活動が成立している●調整サービス:自然の機能が発揮されたレジリエントな都市 緑地によるヒートアイランド現象の緩和や雨水浸透・雨水貯留などによる洪水被害の軽減など、自然が有する機能が十分に発揮されたレジリエントな都市づくりが進んでいる●文化的サービス:自然の恵みにより生活を豊かにする都市 癒しや潤いをもたらす貴重な屋外空間などの資源として、身近なみどりを含む東京の自然が持続的に利用されるとともに、自然に根差した歴史・文化が継承され、生活を豊かにするものとして、東京の自然の価値が見直されている●基盤サービス:豊かな自然があふれ生きものと共生する都市 都心では生態系に配慮した緑地があふれ、郊外では自然が維持され、回復することで、生きものが戻るとともに、自然と共生する生活空間や職場環境が実現し、自然を基軸とする環境先進都市となっているまた、生態系サービスごとのあるべき姿に加え、大都市東京ならではのあるべき姿を次に示す。●都内のあらゆる場所で生物多様性の保全と持続的な利用が進んでいる●都内だけでなく、日本全体・地球規模の生物多様性にも配慮した行動変容が進んでいる間接的な要因 生物多様性の4つの危機(直接要因)が発生する背景には、「産業構造の変化」や「人々の自然に対する関心」、「消費と生産」といった人間活動に関わる要素、更にその根底にある人々の価値観や行動様式といった「間接要因」が複雑に絡んでいる。 生物多様性に関する問題を解決するためには、直接要因への対策を行うだけでなく、その背後にある間接要因、すなわち我々の社会、経済、暮らしのあり方を根本的に変えていく「社会変革」が必要である。

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