[東京都環境科学研究所]074・日本付近の台風の強度が強まり、スーパー台風と呼ば・台風に伴う降水については、個々の台風の降水強度が増大し、雨量が増加する一方、日本に接近する台風は減少するため、台風に伴う降水の年間総量には変化がない。・台風接近数の減少と比べて、個々の台風の降水強度増大の影響をより強く受けるため、台風に伴う非常に激しい降水の頻度は増加する。台風 台風の将来予測に関しては不確実性があるが、次のように予測されている。・北西太平洋での台風発生数は全般的に減少し、さらに最も発生数の多い海域が現在のフィリピン近海から将来はその東方に移ることにより、日本への台風接近数が減少する。れる強度で日本にまで達する。海面水位※1 東京周辺の沿岸域の年平均水位は、21世紀末には約0.70m上昇すると推定されている。※1「日本の気候変動2020—大気と陸・海洋に関する観測・予測評価報告 書—(詳細版)」(2020年12月) 東京都気候変動適応計画の策定、東京都気候変動適応センターの設置 気候変動の影響は、地域の地理的、経済的、社会的な条件などによってさまざまな形で顕在化するため、取るべき対策は地域ごとに異なる。気候変動適応法では、各地域が、自然や社会経済の状況に合わせて適応策を実施することが盛り込まれた地域気候変動適応計画を定めることが求められている。 都では、2021年3月、①自然災害、②健康、③農林水産業、④水資源・水環境、⑤自然環境の5つの分野における適応策をまとめた、東京都気候変動適応計画を策定した。また、同法及び気候変動適応計画に基づき、東京都気候変動適応センターを2022年1月、東京都環境科学研究所内に設置した。
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