東京都環境基本計画
63/160

[燃料電池自動車(FCV)]水素ステーション 23か所(うちバス受入れ可 9か所)[東京都内の水素ステーション整備状況](2021年度末現在)©トヨタ自動車(株)0572050年のあるべき姿●グリーン水素が脱炭素社会実現の柱となっている・再エネ大量導入を水素で支える・あらゆる分野でグリーン水素を本格活用し、脱炭素社会を支えるエネルギーの柱のひとつにする 2050年には、あらゆる分野でグリーン水素が本格活用され、グリーン水素が再エネの大量導入を支えている。自動車のほか、船舶、航空機などの大型輸送機器、また、産業や業務・家庭分野においても熱需要に水素が活用されている。発電分野では、化石燃料の代わりに水素を燃焼して発電する「水素発電」が普及している。これらが実現した社会では、再エネ電力で製造した水素を長期間貯蔵し、必要な時に電力、熱、輸送燃料などに変換することで、エネルギー全体の有効利用と安定供給が可能となる。さらに、地域のレジリエンスを高めるエネルギーの地産地消を進めることができる。 2050年のあるべき姿に向けて、都は、これらの基盤づくりに早期に着手していく。グリーン水素の普及には、コストの低減やサプライチェーンの構築などの課題があるが、関係企業等と連携し、水素需要の拡大と、技術開発や量産化の促進など、水素エネルギーの実装化を加速させていく。 都内の水素エネルギー導入状況燃料電池車両 2014年に世界初となるFCVの一般販売が開始されて以降、都内では徐々に導入が進んでいるが、販売車種が限定的なことなどが普及の障壁になっている。 燃料電池バス(FCバス)は、2021年度末時点で都内において93台が導入されているが、ディーゼルバスに比べて高額な上、水素と軽油の燃料費差も大きいため、自立的な普及までは至っていない。 バス以外の商用燃料電池車両については、民間事業者が数台規模の燃料電池トラック(FCトラック)の走行実証を行っている段階である。都では、大学や区市などと連携し、燃料電池ごみ収集車(FCごみ収集車)の開発・試験運用を実施している。水素ステーション 燃料電池車両の普及に不可欠な水素ステーションは、2021年度末現在で都内で23か所、うちFCバスに充填可能な水素ステーションは9か所あり、臨海部を中心に整備が進んでいる。現状では水素需要が限られることや、水素ステーションの地域偏在があることが課題になっている。また、一定の規制緩和が進んでいるものの、水素関連設備と公道等との離隔距離など、依然として厳しい規制が存在している。燃料電池 2009年に世界で初めて家庭用燃料電池「エネファーム」の一般販売が開始されてから10年以上が経過した。都による導入補助など普及の後押しもあり、累積販売台数は着実に増加し、価格低減が進んでいる。一方、業務・産業用燃料電池は導入の初期段階であり、導入及びメンテナンスコストがともに高いなど、普及上の課題がある。

元のページ  ../index.html#63

このブックを見る