【PHV】©トヨタ自動車(株)【EV】©日産自動車(株)053車両のZEV化推進■ 乗用車 ZEVが広く社会に浸透していくため、車両の低価格化を通じたシェアの拡大を図るとともに、メーカーへのインセンティブを付与する仕組みを構築することで、車種展開や技術開発を促していく。自動車の非ガソリン化に伴う業界の構造転換にも対応するため、技術支援を行うほか、モビリティ関連企業と連携したワークショップやセミナーにより人材育成を加速させることで、市場におけるZEVの自立的普及を促していく。また、島しょ地域でも、災害時にも活用可能であるという特性を踏まえ、ZEV活用を促進していく。自動車の脱炭素化 走行時にCO2を排出しないZEVは、自動車の排出ガスによる大気汚染問題や騒音問題の解決が期待できるだけでなく、非常時における電源確保や再エネ大量導入時の系統電力の安定化などに有効な「T蓄める」機能を持つ。このポテンシャルを最大限活用することで、再エネ利用の最大化と都市のレジリエンス向上に大きく貢献する。さらに、今後期待されるMaaS等の新たなモビリティサービスの普及にも寄与する。 バイオ燃料などの活用により燃料の脱炭素化も見据えながら、開発促進及び車種の多様化を促し、充電インフラ等の整備と両輪で機運醸成を図ることで、運輸部門における脱炭素に不可欠なZEV の普及を本格化していく。■ バス・貨物車(トラック) 走行距離が長く比較的台数も多い商用モビリティは、ZEV化によるCO2削減効果が大きいため、インフラ整備とも連動して普及を後押ししていく。 バスのZEV化を支援し、着実に初期需要を創出することで、車種展開や技術開発・コスト低減を促し、普及拡大につなげていく。特に、量販化の進展が見込まれる小型の路線バス用EVについて、高齢化で移動手段としてのニーズが高まる地域密着のコミュニティバスのZEV化を区市町村に対して働きかけるなど、効果的な導入支援を図っていく。 トラックのZEV化は、航続距離と積載量との両立が課題であったが、近年、燃料電池やバッテリーの技術開発が進んできているため、用途や車体の大きさ等に応じたZEVトラックの活用を加速させていく。車種の特性や今後の量販化状況を踏まえ、国とも連携しながら支援の方向性を見極め、ZEVトラックの早期実装化と最適利用に向けた施策を具体化していく。■ タクシー タクシーは、1台当たりの走行距離が長く、CO2排出量が多いことから、より環境性能の高い車両への買い替えを促進していく。また、タクシーは福祉の観点から、誰もが利用しやすいユニバーサルデザイン(UD)の普及が求められている。UDに対応したZEV車種は現時点で存在しないため、まずはHVなどの普及促進、特に現状でUDタクシーの導入率が低い中小事業者の導入を強化し、普及の底上げを図っていく。あわせて、ZEV車種の普及促進を図っていく。
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