東京都環境基本計画
52/160

太陽光発電システム高性能な断熱材全室LED蓄電池システム高効率エアコン「東京ゼロエミ住宅」でポイントとなる、断熱と設備(イメージ)節湯水栓高断熱浴槽高断熱窓ヘッダー方式高断熱ドア高効率給湯器画像提供 AGC(株)(出典)東京都環境局『家庭の省エネハンドブック2022』046都民・事業者の脱炭素行動を強力に後押し 制度の強化・拡充に先駆けて、東京ゼロエミ住宅の建築や既存住宅の省エネ改修、再エネの設置・利用など、ナッジ※6の観点を活用するなどの創意工夫を図ったアプローチにより、都が都民・事業者の脱炭素行動を強力に後押しし、都民の住環境や生活様式を、脱炭素型のライフスタイルへ移行させていく。※6 ナッジ(nudge)とは、「肘でそっと突く」と訳されるように、人々が強制によってではなく自発的に望ましい行動を選択するよう促す仕掛けや手法■ 「東京ゼロエミ住宅」の更なる促進と継続的な基準の 見直し 新築住宅における「東京ゼロエミ住宅」の更なる普及を促進していく。住宅の高断熱化、高効率設備・再エネ設置を一層促進するため、東京ゼロエミ住宅基準を継続的に見直すことで地域工務店等の取組を促し、新築住宅全体の環境性能の底上げを図る。■ 既存住宅における断熱改修の促進と太陽光発電設備等の普及拡大 住宅のリフォームや定期点検、マンション大規模修繕等の機会を捉え、省エネ診断や省エネ化のための計画策定、断熱性能の高い窓・ドア等の開口部や躯体への改修、設備の効率化を促進していく。また、太陽光発電設備や蓄電池等の設置の後押しを強力に推進する。その際、住宅の省エネ性能の向上を図るために役立つ情報や、光熱費の削減や昼間のピークシフトにも資するなど太陽光発電設備を設置するメリット、デジタル技術と融合したエネルギー管理の最適化等に関して都民に分かりやすい普及啓発を行っていく。■ 省エネ性能の高い家電等への買い替え促進 家電の省エネ性能は大きく向上しており、買い替えることによって大きな省エネ・節約につながるため、都民の省エネ性能の高い製品への買い替えが進むよう取組を促していく。■ グループ購入事業の更なる展開による再エネ電力利用の拡大 再エネ電力の利用に興味がある都民は約70%いる一方で、再エネ電力へ契約変更した割合は約5%に留まっていることから、都民が再エネ電力への切替えに踏み出しやすい環境を整備していく必要がある。再エネ電力の購入希望者を募り、一括して購入電力の切替えを図ることで、スケールメリットにより価格低減を実現するキャンペーンを全国展開も視野に入れ実施していく。さらに、このスキームを太陽光発電設備や蓄電池等の設置拡大にも活用していく。■ 脱炭素型のライフスタイルへの転換を促す取組の強化 日常における省エネ対策は種々様々あり、省エネにつながり家計にもお得な取組であっても認知されていないものがある。そのため、脱炭素化に貢献する取組等について、HTT「Ⓗ減らす・Ⓣ創る・Ⓣ蓄める」をキーワードに、「Tokyo Cool Home & Biz」等のキャンペーンを活用し、効果的な普及啓発を図っていく。その際、子供や学生、高齢者等対象者の行動様式に合わせたメッセージやアプローチ手法を分析しながら、SNS等各種媒体を戦略的に活用していく。 また、省エネ対策実施前後の室温や光熱費の変化、断熱性能が低い住宅に居住することの健康への影響など、都民にとって分かりやすい事例を提示し、行動変容を促していく。

元のページ  ../index.html#52

このブックを見る