東京都環境基本計画
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地熱発電地下のマグマに温められた高温の蒸気や熱水を利用してタービンを回し、発電します。バイオマス発電家畜のふん尿や生ごみ、木くずなど、動物や植物に由来する資源からつくった燃料で発電します。太陽光発電太陽光を電気に変える太陽光パネルを設置して発電します。一般の住宅にも設置でき、家庭でも導入が進んでいます。風力発電風の力でブレード(羽根)を回し、その回転する力を利用して発電します。陸地のほか、強い風が吹く海上にも設置が進みつつあります。水力発電水の流れる力で水車を回して発電します。ダムを利用した大規模なものや、農業用水などを利用した中小規模のものがあります。030現 状 東京はエネルギーの大消費地であり、ゼロエミッション東京の実現に向けては、エネルギーの消費効率の最大化と温室効果ガスを排出しない再エネを基幹エネルギーとした脱炭素エネルギーへの転換が必須である。 再エネは、地域の自然を利用した純国産のエネルギー源であり、海外に依存する化石燃料に比べ、エネルギー安全保障の観点からも優れている。また、豪雨等の自然災害が増加する中、分散型エネルギーである再エネの地産地消は、エネルギー供給網に寸断が生じた際にも利用が可能であり、都市のレジリエンス向上に寄与する。 エネルギー価格上昇の長期化が懸念される中、家計や中小企業の負担は一層重くなっており、再エネ設備の設置により、エネルギーを自家消費することは、経済的にもメリットが大きい。 都は、エネルギー危機への対応や加速する再エネ拡大の世界的な潮流を的確に捉え、再エネの導入と利用の標準化を強力に進めていく。再生可能エネルギーの特徴とその動向 再エネの基幹エネルギー化は、2050年ゼロエミッション及び2030年カーボンハーフに向けた重要な柱である。 太陽光発電や風力発電などの再エネ電力は、発電量が季節や天候に左右されるが、悪天候により太陽光発電の出力が低下した場合でも、風力発電は夜間や曇天時にも発電が可能であるなど、性質の異なる複数の再エネが導入されることで補完が可能である。また、IoTや蓄電池等を活用したエネルギーマネジメントにより、電力が不足する際に蓄えた再エネを活用することも有効である。 一方で、東京の本土部のほとんどの地域は風が弱く、風力発電の立地としては適しておらず、メガソーラー等の設置に適した土地も少ない。再エネ導入を更に拡大するためには、都内での地産地消型の再エネ設備の導入に加えて、≪様々な再生可能エネルギー(電力)≫再エネは、天候や時間帯によって発電量が変動したり、設置や管理に費用がかかったりするなど、発電方法ごとに課題もありますが、環境にやさしいエネルギーとして、また、国内で生産できるエネルギーとして、更なる活用が期待されています。導入条件の優れた都外で生み出された再エネを積極的に利用することも重要である。そのためには、全国規模での地域間連系線の増強や電力需給両面での調整力の強化が必要である。 世界で再エネの導入と利用が急速に拡大する中、国内においても、現在の日本の発電電力量の7倍と試算されている再エネの技術的な導入ポテンシャル※1を最大限活用するべく、産官学が連携して取組を加速している。例えば、導入ポテンシャルの高い地熱発電は規制運用の見直しが図られ、2030年までに倍増を目指すとされている。また、既存の太陽電池と比較して軽量性や柔軟性に優れているペロブスカイト太陽電池などの次世代型の技術も実用化に向けて取組が進んでいる。※1 環境省再生可能エネルギー導入ポテンシャル調査による再生可能エネルギーの基幹エネルギー化

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