東京都環境基本計画
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012新たな東京都環境基本計画の考え方東京が果たすべき役割と目指す都市の姿 東京は、世界有数の大都市として、2050年のゼロエミッションの実現とその実現の鍵を握る2030年までの都内温室効果ガス排出量を50%削減するカーボンハーフを達成するために、あらゆる分野の取組を大胆に強化し、国際的なリーダーシップを発揮していかなくてはならない。 また、生物多様性を回復し、より良質な都市環境の実現に取り組むことに加え、持続可能な消費・生産を実現して、東京から消費と生産のあり方を変革していく必要がある。 こうした環境課題に対しては、都民・企業等のあらゆる主体と力を合わせて課題解決に取り組むとともに、「隗より始めよ」の意識のもと、都自らが大胆に行動を加速し、多くのエネルギーや資源を消費する「大規模事業者」として、率先して改革を実行することが求められる。 都は、社会経済が高度に発展した成熟社会においても持続的な成長を遂げるなど、「成長」と「成熟」が両立した、持続可能で、安全・安心、快適、希望にあふれた東京、すなわち、「未来を拓くグリーンでレジリエントな世界都市・東京」を目指していく。目指す都市の姿を実現するための戦略展開3+1の「戦略」 都は、大都市東京の存立基盤を脅かすエネルギー安定供給の危機を回避し、エネルギー安全保障の観点からも不可欠な脱炭素化施策を抜本的に強化・徹底するため、都民や事業者とともに総力を挙げて危機に対処していく。 東京が目指す都市の姿を実現するために、脱炭素化、生物多様性、良質な都市環境など持続可能な都市の実現に向けた取組である戦略1~3に加え、直面するエネルギー危機に迅速・的確に対応するための取組である戦略0を即座に展開していく。そして、戦略0の取組を実践しつつ、戦略1~3に基づく施策を総合的に展開し、気候変動・エネルギー、自然、大気等の各分野の環境課題を包括的に解決していく。戦略0 危機を契機とした脱炭素化とエネルギー安全保障の一体的実現戦略1 エネルギーの脱炭素化と持続可能な資源利用によるゼロエミッションの実現戦略2 生物多様性の恵みを受け続けられる、自然と共生する豊かな社会の実現戦略3 都民の安全・健康が確保された、より良質な都市環境の実現横断的・総合的な取組 未来の東京を築くためには、都民、企業、団体、国、他の自治体、海外諸都市など多様な主体と協働し、直面する危機に共に立ち向かっていくことが必要である。 都は、こうした主体と連携した環境配慮行動を加速するため、デジタルトランスフォーメーションも梃子に、都民、企業、団体等と連携した事業の展開、優れた取組事例の発信、人材確保・育成や行動変容の促進に取り組んでいく。 また、地域の実情に精通した区市町村との連携を一層強化し、各自治体の実情やニーズに応じた連携・支援を行っていく。  さらに、世界有数の大都市として、国際的なリーダーシップを発揮し、海外諸都市等との連携や国際会議等への参加を通して、環境課題解決に向け、積極的に働きかけていく。

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