地域の特徴と課題主な配慮事項●多摩西部地域・ 多摩山間部は、都心部に近接した豊かな自然が残された森林を有し、隣接県の山間部と一体となって水や豊かな自然環境を保全しており、日帰り登山やハイキングなどの観光ルートや天然温泉、さらに奥多摩湖や渓谷など、人々の憩いを創出するなど多様な役割を担っている。・ 水資源の涵かん養や大気の浄化、動物の生息域など多面的な機能を担う大規模な緑空間として、都民・企業との連携や協働を図りながら、森林の復活を図っていく必要がある。・ 森林の再生や野生動植物の保護管理に努めつつ、恵まれた自然環境を生かしながら、豊かな自然と共生する地域の形成が課題となっている。・ 西多摩地域など、都民や企業等と連携した森林保全・利用の推進や、周遊ルートなど自然と調和したレクリエーション活動のための環境整備、自然を学び体験する場の創出などが求められている。●島しょ地域・ 富士箱根伊豆国立公園、世界自然遺産にも登録された小笠原国立公園を含む地域である。また、我が国の領海の約12%を占める海域を抱え、火山と特有の気候条件で形成された地形と植生を有する、大小の島々からなる豊かな自然に恵まれた地域である。豊かな海洋資源と独自の文化を持ち、自然体験型の観光などを求める来訪者を受け入れている。・ 貴重な自然環境の保全と、観光などによる持続可能な活用との調和が課題となっている。気候変動対策生物多様性の保全・みどりの創出水循環の再生と水辺環境の向上ヒートアイランド対策景観形成歴史的・文化的遺産の保全・再生・ 施設等の整備に当たっては、エネルギー消費を最小とするように計画する。特に、自然環境の豊かな立地特性を生かし、自然エネルギーのパッシブ及びアクティブ利用、森林保全に十分配慮しつつ、地域特性を踏まえたバイオマス利用など、再エネの導入を積極的に進め、自立的なエネルギー環境を目指す。・農地や林地などを適切に維持管理し保全に努める。・森林の保全に努め、貴重な野生動物の生息環境や植物の生育環境の回復を図る。・島しょ地域に特有な海洋性気候や火山などに由来する自然環境を、極力保全する。・施設等の整備に当たっては、自然環境に与える影響を最小限にとどめる。・自然保護と観光との調和を図るため、自然公園を適正に管理・利用する。・ 農林水産業等による自然環境の活用に当たっては、自然環境に影響を及ぼさないよう、十分な配慮を行う。・荒廃した森林については、間伐等により健全な森林へ再生を図る。・豊かな自然環境を生かし、自然とふれあい、親しむ場の確保に努める。・島しょ地域では特に、固有の野生動植物の保護と、その生育・生息環境の保全に努める。・ 公共下水道や特定環境保全公共下水道等の整備、窒素・りん除去型の合併処理浄化槽などの設置により、水源地域の湖や河川の水質を保全する。・ 島しょ地域では、生活排水による海洋の水質汚濁を防止するため、下水道の整備又は合併処理浄化槽の設置を行う。・ 河川改修に当たっては、多自然型工法の採用などにより、水質浄化能力の保持と生きものの生息・水源の涵かん養と災害の防止のための育林や造林などを計画的に推進する。環境の保全を図る。・地域のみどり等が有するクールスポットとしての機能の維持に努める。・ 山岳や渓谷などの自然美、地域に根ざした民家や生活文化、植林地が広がる山並み、美しい海岸線、島しょに伝わる歴史・文化など、本地域の各所に存在する、これら個々の景観特性を生かした景観形成を図る。135地域別配慮の指針 -自然環境共生域-
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