地域の特徴と課題主な配慮事項気候変動対策大気環境の向上・工場・事業場や運搬車両による大気汚染物質の排出を抑制し、大気環境の向上に努める。化学物質、土壌汚染などによる環境リスクの低減生物多様性の保全・みどりの創出水循環の再生と水辺環境の向上ヒートアイランド対策景観形成歴史的・文化的遺産の保全・再生・ 多様な都市機能が集積する八王子、立川などを中心として、丘陵地では豊かな住環境を有する住宅地や緑が広がり、大学、研究機関、先端技術産業などが数多く立地し、産学公連携が進みつつある。消費地への近接性を生かした都市農業も行われるなど、多様性を持つ地域である。・ 東部には、多摩川、玉川上水、国分寺崖線など、貴重な水辺と自然が残されており、エリア内に点在する雑木林、屋敷林、野川の清流、崖線の緑、湧水などが武蔵野特有の風景を作り出している。・ 東部の市街地内や北部の狭山丘陵の南側、五日市街道の周辺等には、まとまった 農地が残されているが、農業者の高齢化と後継者不足などにより、休耕地や適正に肥培管理されていない農地が増加する傾向にある。・ 南部には、三浦半島に連なる丘陵地があり鶴見川等の源流を有するなど、豊かな緑が残っているところも多い。良好な自然環境の保全と活用を図ることが課題となっている。・ 丘陵地や里山、屋敷林などの豊かな緑が減少し、斜面緑地の保全やスプロールの防止が必要な地域も見られるため、駅や生活の中心地から離れ、公共交通の利便性が低い地域では、新たな宅地化を抑制し、公園や緑地・農地などが広がるみどり豊かな環境を保全・形成していく必要がある。・ みどりの骨格となる都市計画公園や河川沿いの緑地等の整備に加え、多摩丘陵や狭山丘陵などにつながるみどりを保全・創出することで、みどりに厚みを持たせていく必要がある。・ 多様な用途の建築物があることから、地区または街区内におけるエネルギー融通を検討するとともに、エネルギー効率の高い建物へと更新していくことで、エネルギー消費量、温室効果ガス排出量を削減していく。・ 太陽光発電のほか、太陽熱や地中熱などの再エネのポテンシャルを有していることから、積極的な導入を図る。・蓄電池等の活用により、地区または街区内における最適なエネルギーマネジメントに努めていく。・ 新たな先端産業工場や研究施設の立地に当たっては、有害化学物質による汚染の未然防止措置を講じる。・ 市街地に残された屋敷林・雑木林・農地・用水等のみどりの一体的な保全に努め、生きものの生息・生育空間となるエコロジカル・ネットワークの保全・回復を進める。・ 丘陵地は、地形上からも既存の自然地の保全が重要であるが、一方で、開発が進行しているところも多く、雑木林や谷戸などの自然地を確保することが必要であり、特段の配慮を行う。・ 丘陵地では、新規の開発を可能な限り避ける。ただし、やむを得ず開発を行う場合には、計画的に行い、まとまりとつながりのある形でみどりを保全する。・緑化計画の策定に当たっては、地域の在来植物を中心とし、生物多様性に配慮した緑化を検討する。・ 地域に残る農地について、生産緑地制度をはじめ、様々な手法を導入して、農地の保全に努めるとともに、農地を生かした街づくりを進める。・道路や河川の整備に合わせて、つながりのあるみどりを創出していく。・崖線や河川沿いに残る湧水を保全し、身近な自然とのふれあいの場として活用を図る。・採石場等からの水質汚濁等の防止に努める。・ 下水道整備計画がない地域などにおいては、窒素・りん除去型の合併処理浄化槽などの設置を進め、生活排水の処理を徹底する。・ 河川改修に当たっては、多自然型工法の採用により、生物の生息環境や自然景観の保全と回復に努める。・ 河川沿いの地域では、河川沿いの風の通り道を確保するなど、風環境にも配慮しつつ、風環境を生かした構築物やみどりの配置・規模を検討する。・ 今後、ヒートアイランド現象が深刻化するおそれがある地域であることから、既存のみどりの保全など、予防策を講じていく。・ 丘陵地の特性である尾根筋の緑や里山の景観を保全しながら、都市開発により作られていく新しい景観を、豊かな自然を有する丘陵地の景観特性に調和したものとなるよう形成を図る。・ 国分寺崖線では、広域的に連続する緑や崖線が生み出す湧水などの自然環境、多くの寺社や史跡等の歴史的資源、更には水車や水田、わさび田などの文化的資源の保全を図りながら、これらの資源と調和した景観形成を図る。・ 玉川上水では、水と緑を帯状に連続させ親水空間の拡張を図るとともに、周辺地域に残る歴史的景観資源等を生かし、季節感や潤いが感じられる景観形成を図る。134地域別配慮の指針 -多摩広域拠点域(多摩イノベーション交流ゾーンを含む)-
元のページ ../index.html#140