地域の特徴と課題主な配慮事項・ 住宅地を主体としつつ、地域の中心拠点としてにぎわいを見せる個性的なまちや、河川、農地、大規模な公園など、うるおいのある水と緑に恵まれたまち、住と工の融合した活気あるまち、コンテンツ産業などが集積したまちなど、多様な表情を持つ中で、東京の都心居住を支える地域である。・ 戦後から高度経済成長期にかけて東京への人口・産業の集中に伴い、宅地・マンション開発等が進行し、急激に住宅を中心として市街化が進行した。このため、道路等の都市基盤整備が立ち遅れ、木造住宅密集地域が形成されるとともに、中小河川沿いでは豪雨時に都市型水害が発生するなど、安全・生活環境上の課題を抱える市街地が見られる。・ 環状7号線や8号線をはじめ、幹線道路沿道地域では、大気汚染や騒音・振動の防止・緩和に継続して取り組む必要がある。・ みどりの骨格となる都市計画公園や河川沿いの緑地、街路樹等の整備に加え、大規模団地の建替えによる緑化や、国分寺崖線沿いの樹林や湧水の保全に努める必要がある。・ 東北部地域、環状8号線周辺の北部と南部など区部周辺部には、農地が残存しており、こうした農地を保全して緑豊かな住環境を維持・形成していくことが求められている。・ 荒川、隅田川、江戸川等の主要河川を抱えている。水質は改善傾向にあり、テラスや緩傾斜堤防等による水辺の整備も進んできているが、一層の水質改善や緑豊かな水辺環境整備が課題となっている。・ 石神井川をはじめとする中小河川沿いでは、都市型水害に対する安全性の向上と併せ、親水空間の充実とともに緑豊かな水辺環境整備等に取り組む必要がある。また、歴史的な下町の街並みやにぎわい、文化的資源を生かした街づくりを進めることも必要である。気候変動対策大気環境の向上生物多様性の保全・みどりの創出水循環の再生と水辺環境の向上ヒートアイランド対策景観形成歴史的・文化的遺産の保全・再生・ 地域の拠点となる主要な駅周辺における開発では、エネルギー効率の高い建物へと更新していくことで、建物単体としてのエネルギー消費量、温室効果ガス排出量を削減していく。・ 市街地周辺には、中小規模の建物が密集していることから、施設の規模や用途を踏まえた再エネの導入を図る。・ エネルギー消費量を削減した上で、更に必要なエネルギーについては、域外で作られるものも含めて、再エネ電力を優先して利用する。・建物の利用に当たって、効率的なエネルギーマネジメントができるよう十分配慮する。・ 幹線道路沿道地域では、大型貨物をはじめとする自動車に起因する大気汚染等の影響を低減するため、緩衝緑地帯の設置等に努める。・市街地に残された屋敷林・雑木林・農地・用水等のみどりの一体的な保全に努める。・ 生きものの生息・生育空間となる新たな緑地の創出に努め、崖線、公園、河川・用水・湧水、街路樹を軸とするエコロジカル・ネットワークの保全・回復を進める。・ 緑化計画の策定に当たっては、地域の在来植物を中心とし、生物多様性に配慮した緑化を検討する。・ 地域に残る農地について、生産緑地制度をはじめ、様々な手法を導入して、農地の保全に努めるとともに、農地を生かした街づくりを進める。・崖線や河川沿いに残る湧水を保全し、身近な自然とのふれあいの場として活用を図る。・中小河川における身近な水辺環境の復元や清流復活を進め、良好な水辺環境を形成する。・ 東部の河川沿い、多摩川沿いの地域では、海からの風や河川沿いの風の通り道を確保するように、風環境にも配慮しつつ、構築物やみどりの配置・規模を検討する。・ ヒートアイランド現象が深刻化するおそれのある地域であることから、既存のみどりの保全など、予防策を講じていく。・ 郊外の鉄道沿線の特色ある街並み、歴史性・文化性に富んだ景観、新旧住宅地を中心とした街並み、河川や公園による水郷景観、雑木林や農地等が残る東京の原風景など、本地域の各所に存在する、これら個々の景観特性を生かした景観形成を図る。・ 国分寺崖線では、広域的に連続する緑や崖線が生み出す湧水などの自然環境、多くの寺社や史跡等の歴史的資源、更には水車や水田、わさび田などの文化的資源の保全を図りながら、これらの資源と調和した景観形成を図る。・ 神田川及びその周辺地域では、地域に残る歴史的景観資源等を生かしながら、川沿いの街並みと調和した景観形成を図る。・ 玉川上水では、水と緑を帯状に連続させ親水空間の拡張を図るとともに、周辺地域に残る歴史的景観資源等を生かし、季節感や潤いが感じられる景観形成を図る。133地域別配慮の指針 -新都市生活創造域-
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