東京都環境基本計画
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地域の特徴と課題主な配慮事項・ 我が国の政治・行政の中心としての中枢機能が高度に集積するとともに、皇居、日比谷公園などが存在するため、歴史ある大規模なみどりと連携させた質の高い緑化や南北崖線の保全・再生を進めていくことが必要である。・ 隅田川、神田川等、多くの河川や運河があり、また、東京湾にも接している。水質改善の取組に加え、河川沿いや臨海部などでは、河川等の整備と連携させた水辺を楽しめる都市空間の創出を図るとともに、潤いとにぎわいのある水と緑の軸の充実に取り組むことが必要である。・ 民間の大規模開発で創出された緑化空間と都市公園との質の高い一体的な管理を促進し、建替えに合わせて、地域特性に応じた積極的な緑化を促進すべきである。・ 市街化の進行で、地表面が建築物、アスファルト等の舗装で覆われるとともに、エネルギー使用の増大で人工排熱が増加し、熱環境を改善する風の動きも阻害されることが多く、熱帯夜が増加するなどのヒートアイランド現象が進行している。都市開発等の機会を捉え、最先端の省エネ技術の導入や地区や街区単位でのエネルギーの効率的な利用の促進が重要である。あわせて、遮熱性舗装や緑化等によるクールスポットの創出などにより、ヒートアイランド対策を推進していくことが必要である。・ 中枢広域拠点域は、これまでの形成過程などにより各地域の様相が異なっているため、それぞれの地域特性を踏まえ、その歴史的・文化的特質や自然環境、土地利用を把握し、地域の特性を十分に生かした環境整備を進めることが必要である。・ 国際ビジネス交流ゾーンは、中枢広域拠点域の中でも特に高次の中枢業務機能が比較的厚く面的に広がっているため、近年、世界的な潮流となっているSDGsの視点も含めた都市づくりが期待される。気候変動対策生物多様性の保全・みどりの創出水循環の再生と水辺環境の向上ヒートアイランド対策景観形成歴史的・文化的遺産の保全・再生・ 開発や建築など、都市更新の時期に合わせて、よりエネルギー効率の良い都市構造や建物へと更新していくことで、中枢広域拠点域全体のエネルギー消費量、温室効果ガス排出量を削減していく。・ 開発等に当たっては、都市開発による温室効果ガス排出量や自動車交通量の低減を図る。拠点開発等を効率的に進めることでエネルギー効率の良い都市構造としていく。・ 多様な都市機能が集積していることから、地域冷暖房などによるエネルギーの面的利用の活用に努めていく。・ 建物の利用に当たって、街区内等で連携した効率的なエネルギーマネジメントができるよう十分配慮する。・ 今後も大規模な都市開発が進行することから、高度に発達した公共交通網や通勤・通学のみならず多様環境負荷の少ないなニーズに対応する自転車を十分生かすことに留意して、自動車交通に過度に依存しないよう計画する。交通大気環境の向上・ 自動車の発生集中交通量が増大する土地利用及び都市開発に当たっては、自動車利用の抑制や平準化等を考慮した計画とすることにより大気環境の向上を図る。・ 地域内に残されたみどりの保全に努めるとともに、建替えなどを契機とした緑地の創出を行い、公園などの緑地や河川を軸とするエコロジカル・ネットワークの保全と回復を進める。・オフィスビル等において、生態系に配慮した緑化や緑地に生きものを呼び込む取組に努める。・緑化計画の策定に当たっては、地域の在来植物を中心とし、生物多様性に配慮した緑化を検討する。・ 特にみどりの少ないエリア北部や東部の木造住宅密集地域では、緑化スペースの創出や生垣緑化等による積極的な緑化を推進する。・空地が少ない地域でも、限られた空間を生かした屋上緑化・壁面緑化等を推進する。・臨海エリアでは、その特色を生かした公園・緑地の整備に努める。・ 海上公園等を活用し、干潟の保全、砂浜等の拡充、近自然型護岸等の整備等を進め、自然とのふれあいの場を拡充する。・特に大規模開発等では、積極的な雨水利用や広域循環供給地域での下水再生水の利用を進める。・ 小河川の再整備、河川緑化を進める。また、街づくりの重要な要素として水辺空間の活用を図るため、親水性のある水辺空間の創出に努める。・ ヒートアイランド現象が顕在化、深刻化している地域であることから、ヒートアイランド対策を積極的に推進する。・ 東京の成り立ちを伝える街並みや建造物、多様な個性と特徴ある地域、台地と低地がつくる地形の起伏や崖線による緑の帯など、本地域の各所に存在する、これら個々の景観特性を際立たせ、首都にふさわしい魅力的で多様性に富んだ景観形成を図る。・ 臨海部では、海辺の自然と共生しながら、東京の玄関口としてふさわしい風格ある新たな景観形成を図る。・ 隅田川、神田川及びその周辺地域では、地域に残る歴史的景観資源等を生かしながら、川沿いの街並みと調和した景観形成を図る。・ 文化財庭園等景観形成特別地区では、庭園からの眺望景観を保全し、庭園の持つ歴史的景観資源等を保全・継承する。132地域別配慮の指針 -中枢広域拠点域(国際ビジネス交流ゾーンを含む)-

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