東京都環境基本計画
108/160

大気汚染測定所 一般局[都内の大気汚染常時測定]自排局★ 立体測定局(スカイツリー)102 我々は豊かな生活を追求する中で有害物質や廃棄物などを排出し、自らの健康で安全な都市環境を脅かすとともに、生態系にも影響を与えてきた。 都はこれまで、様々な環境施策を推進し、環境問題の解消に大きな成果を残してきた。しかし、全ての都民が安心して質の高い生活環境を享受し、実感できるようにするには、更なる取組の拡充が必要である。また、化学物質が健康や生態系に与えるリスクや影響は未解明な部分も多く、今後新たな知見により健康被害や環境への悪影響が顕在化する可能性も残されている。 都は、科学的知見に基づき、大気汚染対策や廃棄物管理などを確実に実施し、都民の健康リスクが最小化された、快適で良質な環境を実現していく。 都のこれまでの環境施策により、高度経済成長期に比べると大気汚染等による甚大な健康リスクは低減されている。しかし、光化学オキシダントの濃度は環境基準を達成しておらず、光化学スモッグ注意報が毎年発令されるなど、課題はなお残っていることから、更なる対策を推進していく。また、アスベストのような、かつての経済活動から生じた「負の遺産」による健康リスクを回避するための施策を展開していく。加えて、日常生活に深く関わり、都市環境に大きな影響を与えている騒音・振動についても、適切な対策を講じていく。現 状大気環境 都では、都内の大気環境の状況を把握するため、住宅地域等に設置している一般環境大気測定局(以下「一般局」という。)47局、道路沿道に設置している自動車排出ガス測定局(以下「自排局」という。)35局、檜原大気汚染測定所、東京スカイツリー立体測定局の計84か所で大気汚染状況の常時監視を行っている(2022年3月現在)。 これまで、法・条例に基づき、工場・事業所に対するばい煙等の排出規制と自動車排ガスの削減対策を行ってきた。その結果、二酸化窒素(NO2)、浮遊粒子状物質(SPM)、二酸化硫黄(SO2)、一酸化炭素(CO)については、全ての測定局において継続的に環境基準を達成している。 微小粒子状物質(PM2.5)は、長らく環境基準を達成できていない状況であったが、2019年度に初めて全ての測定局において環境基準を達成した。以降もPM2.5の濃度は減少傾向ではあるが、測定局ごとにばらつきがある。また、ニューヨークやロンドンなどの世界の大都市以上に良好な大気環境とするには、更なる濃度の低減対策が望まれる。<測定項目>二酸化硫黄(SO2)、一酸化炭素(CO)、光化学オキシダント(Ox)、浮遊粒子状物質(SPM)、二酸化窒素(NO2)、一酸化窒素(NO)、非メタン炭化水素(NMHC)、炭化水素(HC)、微小粒子状物質(PM2.5)、気象(風向、風速、温度、湿度)、日射量、酸性雨都民の安全・健康が確保された、より良質な都市環境の実現大気環境等の更なる向上

元のページ  ../index.html#108

このブックを見る